花巻東・千葉君へ 野球の楽しさを勘違いしてはいけない

本日、決勝戦を迎える夏の甲子園大会だが、準決勝で敗退した花巻東高校の千葉選手のプレーについて、ちょっとした議論が沸き起こっている。


http://www.youtube.com/watch?v=5uiciscn20Q


ファールを打ちつつカウントを稼ぎ、フォアボールを狙ったり甘く入った球を痛打しよう、というバッティングスタイルに対し、『高校野球特別規則の17』に該当するという注意を、準々決勝後に大会審判部から受けていたというもので、結果、それまで15打席10打数7安打5四球だった成績は、準決勝では4打数無安打に終わり、チームも延岡学園に敗れた。

これに対し、例えば、ノンフィクション作家、門田隆将さんが、「そのプレースタイルは、誰もができるものではなく、一生懸命努力して会得したもの。高野連はその努力が分からないのか。希望の芽を摘もうとしている」と批判したり、ニュースに対する一般人のコメントにも「何で今頃になって」や「一回戦や岩手県大会で注意してやれよ」と言った声が上がったりしている。一方で、千葉選手には、準々決勝においてサインを盗んでいると疑われる行為があったとして、大会本部から注意と確認を されていたこともあって、「卑怯だ」「汚い」といった感情的な批判も多く上がっている。


https://www.youtube.com/watch?v=fMAk0PXJ3Fw



私は、高校野球特別規則の17なるものの存在を知らなかったが、この条文を読む限り、試合において審判が恣意的に判断できるようになっているものだと考える。であるならば、まず門田さんの批判は的外れであり、千葉君は努力の方向が間違っていたと言わざるを得ない。同じく「今になって」といった声に対しても、審判の判断次第である以上、いきなりの通告があっても仕方がないところだ。ただ、その論点に立てば、(大会)審判(部)は、試合と試合の間ではなく、試合中に「スリーバント失敗でアウト」を宣告すれば良かったように思う。それではあまりにもかわいそうだし、観客への説明も難しいとの判断で、試合間での確認、注意となったのかもしれないし、あるいは、サイン盗み疑惑との合わせ技で「締めとくか」となったのかもしれない。ちなみに、審判の恣意的な判断と言えば、地方大会レベルではかなり露骨であることも付け加えておく。ストライク、ボールの判定などはプレーしていればあからさまで、特に1回戦、2回戦レベルの試合では、審判は「早く試合が終わる方向で判定する」という傾向がある。単純な例を挙げれば、ゲームがワンサイドになれば、ストライクゾーンは広がるし、他にも際どいプレーはアウトになりやすくなる傾向が強い。しかし乱暴な言い方だが、高校野球なんてそんなものなのだ。

千葉君は確かに努力を重ねたことだろうが、その努力は楽しかったのかしら、と思う。
試合に勝つことは大事な目的だし、勝ちにこだわらないゲームはつまらない。
高校野球の魅力のひとつは、「負けたら終わり」にあることも確かである。


だが、野球の楽しさは、勝つことだけに収束するものではない。
加えて、スポーツには勝ち負けをこえて楽しむための心意気といったものも必要だし、競技や相手に対する敬意といったものも大切だ。カット打法で得たフォアボールでの出塁の際、千葉君はガッツポーズをしていたが、このあたりに大きな勘違いが表れているように思う。


準決勝では、こんなプレーも・・・

https://www.youtube.com/watch?v=Z23duF9oUCI


準決勝で敗れた後、「ファウルしてカットする自分の役割ができなかった。いつもどおりの野球ができなかった」と、千葉君はコメントを残している。彼が野球と呼んでいるものは何だったのだろう。私にはどうしても、野球以外のモノに取り組んでいたとしか思えないのである。

「ファールをたくさん打つ選手になりたい」と思って野球を始める人は、断じていない。

サイン盗み疑惑に関する受け答えを見る限り、指導者に恵まれなかった面もあるだろう。高校野球を教育の一環というのならば、指導者の責任は大きい。

千葉君には、厳しい夏になってしまった。
だが、野球の楽しさ、スポーツの楽しさを思い直す夏にしてもらいたいものである。
彼には技術があるし、努力する力もある。

野球はまだまだ続く。
そうだろ、千葉君。

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