読書 「異説本能寺 信長殺すべし」

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天主信長」に続き、またしてもの「信長」ものである。・・に続き、と書いたが、作品の発表自体は、こちらの「信長殺すべし」の方が早い。1993年発表の岩崎正吾の作品である。

天正10年6月2日、天下布武に突き進む織田信長が本能寺で暗殺された。配下の武将、明智光秀による造反劇「本能寺の変」である。戦国物語の転ともなったこの事件には、光秀を操った黒幕がいたのではないか?秀吉か、家康か、足利将軍か、あるいは朝廷か・・・。

黒幕の候補を一人ずつ挙げていき、それを登場人物たちが資料を基に推理を戦わせる。資料そのものの信憑性、重要度は、私には分からないので、それはそれとして信じて読み進める。秀吉に始まり朝廷に至るまで、これまでに唱えられていた「黒幕」説が否定されていく。その過程は論理的であり、楽しく読み進められた。ところが、ネタバレ→最後に来て、甲斐の乱波、山本道助(武田の軍師・山本勘助の息子)が出てきて、これが真犯人とされる。もちろん作者としては、山本道助という(架空の)個人というよりも、山中に潜み暮らしていた異能の集団が犯人だった、と言いたいのだろう、とは思う。それゆえ、あえて実在が疑わしい山本道助なる人物を犯人として据えた、とは読めるが、それならばやはり「小説」と割り切って、もう少し説得力の高いストーリーを練り上げて欲しかった。おそらくは、作者は、本作を小説とは言いつつも小説のつもりで書いていないのではないだろうか、と感じた。いっそ、この「真犯人説」を唱えることに主眼をおいた「学説」を読むようなつもりで臨んだ方が、こちらとしても楽しく読めたのかもしれない。説を読みやすくするために、歴史ミステリのカタチをとってはみたが、作者の思いの強さを昇華しきれなかった。そんな印象を持つ。作者の岩崎正吾、山梨県出身、在住だとか。郷土愛だなぁ。


信長殺すべし (講談社文庫)
講談社
岩崎 正吾

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ぐいぐいひきこまれて ...
黒幕は誰か 1993 ...
これはないんじゃない ...
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本能寺の変 ?信長の油断・光秀の殺意?
洋泉社
藤本 正行

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