読書 「街場のメディア論」

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私自身のモノの考え方の一つに、「物事は極端に(条件を振って)考えた方が分かりやすい」というのがあって、今回、内田樹の「街場のメディア論」を読みながら、同じようなモノの考え方をする人はいるもんだなぁ、と思いつつ、読み進めていた。
もっとも、内田氏の論は、私の場合の生活上のノウハウとは違って、理路整然としていて説得力は高いし、例示も豊富である。タイトルに「メディア論」とあるが、キャリア論、教育論、あるいは市場万能主義への懐疑と、裾野を広げて(あるいは脱線しつつ)、持論を展開している。それぞれ各分野論の本流ではない、と自身でも書いているように、マイノリティゆえの棘があり、それが読み手の思考の手がかりになり易い。ただ、後半になるにつれて、あまりにも自己的な事象にとらわれ過ぎているのでは、とは感じてしまった。例えば、本棚に「読んでいないが、いつか読むべき本を飾る」というのはやはり、著者のような学者という立場ならあることだろうが、一般にはそうあることではないように思うのだ。
私自身の場合では、読んだ本とてすべてを棚に置くわけではない。再読しそうだな、と思う本だけを本棚に入れる。本棚自体を増やす予定はなく、一度本棚に収まったモノも別の本に場所を奪われ、BOOK OFFで売ってしまうこともある。それとは別に、一通り頭には入ったけれど、また読みたくなりそうだ、という本(私にとっては殿堂入り本である)は、ベッドの下の段ボール箱に入れておくようにしている。
著者は、本棚が個人の趣味趣向、思想志向を表すものとして論を展開していたが、私の本棚の場合だと、殿堂入り手前の本が並んでいるだけなので、私の本棚を見た友人がそれを手がかりに、私のことを「こんな好みの人間なんだな」とは言い切れないし、多くの場合、本棚よりも目の前の当人に情報を得るのではないだろうか。もちろん、本棚は、体感的な情報の補完材料にはなることは否定するものではないが、決定的なものではないと思うのだ。

本書はもともと、大学での講義をもとに書き起こしたもの、とのことである。そのせいでもないだろうけれど、全編にわたって「君はどう考える?」という問いかけがあるように感じられた。本棚において、改めて棘の一つ一つを拾ってみようと思う。


街場のメディア論 (光文社新書)
光文社
2010-08-17
内田 樹

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